ようやく桜が咲いたのに…

大正生まれのモダンボーイ。
“今年の桜は見られるかなぁ”と言っていた父が、観る事なく逝ってしまいました。昨年夏体調を崩し、二ヶ月の入院後、自宅へ帰り母とふたり。悪くなっても絶対病院へ運ぶなといつも言ってた父。思い通り自宅でスヤスヤ寝たままいつの間にか…。
大正生まれのモダンボーイでした。人の悪口は一度も言った事なく、怒って声を荒げた事もなく、いつも穏やかで良く笑った父。若い頃同人誌を出してた事もある文学青年!? 映画が好きでイングリッド・バーグマンがお気に入り。古い映画で、『ある男性が妻に髪飾りをプレゼントしたくて、大切にしていた懐中時計を売る。妻は夫に懐中時計のチェーンを贈りたくて自慢の長い髪を切って売り…と言うストーリー。』大きくなって恋をして結婚したらそんな夫婦になって欲しいと、小学低学年の私に父は熱っぽく話してくれました。あの映画はなんてタイトルだったのかしら。みんなが持ってる物を欲しい!と言っても買ってくれなかったけど、私が欲しいの!と言うと買ってくれた。買ってもらったタイプライターもギターも私はすぐに飽き、上手になるのはいつも父だった。
亡くなる前日に“あんたは綺麗だね。僕はこんなにシワくちゃになってしまった”と母に言ってたらしい。母が“パパが死んだら翌日私も死ぬ”と言うと“どんなに仲の良い夫婦でも一緒には死ねない。真理と美紀がいるじゃないか、生きなきゃだめ”なんて話し合うほど仲良し。両親は62年も一緒に過ごしてきました。びっくりです、変わらず大好きだなんて、ね。
自宅での半年を支えてくれたのは、何人もの若い介護の人達。両親に元気なパワーを毎日届けてくれて本当にありがとう!幸せに、父らしさを失う事なく逝きました、自慢の父が。(MANYWANYThanks良太君、西村さん、うらら、こてつ、陽だまりのみなさん)
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